光を背負う、僕ら。―第1楽章―
そして今回も、小春ちゃんは動いた。
誰も手を上げないと思っていた、この状況で。
こういう時にでも行動出来る小春ちゃんが、あたしにはすでに遠い存在に思えた。
有名なピアニストの娘。
その肩書きは、あたしも小春ちゃんも変わらない。
目指すものだって、きっと一緒。
なのにここで動けるか動けないかということが、あたし達の差を表しているみたいで……。
小春ちゃんを尊敬する一方で、自分の力のなさに悔やんだ。
「じゃあ、とりあえずこっちに来てくれる?」
「はい、わかりました。」
救世主とも言える小春ちゃんを、滝川先生は丁寧に誘導する。
その様子を周りの人は、まだ少しざわめきながら見つめている。
あたしはただじっと小春ちゃんを見つめて、滝川先生との会話に耳を傾けていた。
誰も手を上げないと思っていた、この状況で。
こういう時にでも行動出来る小春ちゃんが、あたしにはすでに遠い存在に思えた。
有名なピアニストの娘。
その肩書きは、あたしも小春ちゃんも変わらない。
目指すものだって、きっと一緒。
なのにここで動けるか動けないかということが、あたし達の差を表しているみたいで……。
小春ちゃんを尊敬する一方で、自分の力のなさに悔やんだ。
「じゃあ、とりあえずこっちに来てくれる?」
「はい、わかりました。」
救世主とも言える小春ちゃんを、滝川先生は丁寧に誘導する。
その様子を周りの人は、まだ少しざわめきながら見つめている。
あたしはただじっと小春ちゃんを見つめて、滝川先生との会話に耳を傾けていた。