光を背負う、僕ら。―第1楽章―
途端、静けさを取り戻しつつあった辺りに、一瞬にしてざわめきが呼び戻される。
ほんの一瞬の静けさの後の、突然の騒がしさ。
あの静けさは、嵐の前の静けさだったのかもしれない。
「…小春ちゃん、またとんでもないことしでかすね。自らピアノを希望するなんて…。」
「もしかして小春ちゃん、自分のピアノの実力をアピールする気なのかな…。ここで演奏すれば、すごく先生の印象に残るだろうし。そうしたら東條学園に入学しやすくなるんじゃないの?それに確か小春ちゃんって、東條学園が志望校じゃなかったっけ?佐奈、知らない?」
「……あたし、知らない。」
明日美と流歌の会話に、あたしは上の空で答えていた。
ただ、小春ちゃんを見つめる。
二人には「知らない」と答えた。
だけどあたしは、小春ちゃんが東條学園に行きたいと思っていることを、少しだけ悟っていた。
噂を聞いたわけでもなく、小春ちゃんの口から直接聞いたわけじゃない。
だけどそうだと感じたのは、同じオーラを感じていたから。
目指すものが同じである人の、オーラを。
ほんの一瞬の静けさの後の、突然の騒がしさ。
あの静けさは、嵐の前の静けさだったのかもしれない。
「…小春ちゃん、またとんでもないことしでかすね。自らピアノを希望するなんて…。」
「もしかして小春ちゃん、自分のピアノの実力をアピールする気なのかな…。ここで演奏すれば、すごく先生の印象に残るだろうし。そうしたら東條学園に入学しやすくなるんじゃないの?それに確か小春ちゃんって、東條学園が志望校じゃなかったっけ?佐奈、知らない?」
「……あたし、知らない。」
明日美と流歌の会話に、あたしは上の空で答えていた。
ただ、小春ちゃんを見つめる。
二人には「知らない」と答えた。
だけどあたしは、小春ちゃんが東條学園に行きたいと思っていることを、少しだけ悟っていた。
噂を聞いたわけでもなく、小春ちゃんの口から直接聞いたわけじゃない。
だけどそうだと感じたのは、同じオーラを感じていたから。
目指すものが同じである人の、オーラを。