光を背負う、僕ら。―第1楽章―



外は少し風が強くて、時々運動場には砂煙が舞う。



そんな運動場の半分ほどの範囲。



そこには、ユニホーム姿で試合をしているサッカー部の部員達がいる。



そんな部員達の半分は、黄色い蛍光色のゼッケンを着ていた。



伸一君も、ゼッケンを着ている一人だ。



ボールを必至に追いかけて、ボールが来ればドリブルをする伸一君。



時々立ち止まっては、目を擦っている。



きっと砂煙のせいで、目に砂が入るんだ…。



あたしはそんな姿を心配しながら、周りのことが見えなくなるぐらい夢中で伸一君を見つめ続けた。



目を痛そうにしながら擦る姿を見る度に、

大丈夫かな?

って心配をして。



ドリブルをする姿を見る度に、

頑張って!!

って心の中で応援したりして。



シュートを決める姿を見る度に、

良かったね!!

って思いながら、こっちまで釣られて笑顔になったりして。



伸一君のことを、まるで自分のことのように感じるぐらい、伸一君の姿に見入っていた。



< 37 / 546 >

この作品をシェア

pagetop