光を背負う、僕ら。―第1楽章―
外は少し風が強くて、時々運動場には砂煙が舞う。
そんな運動場の半分ほどの範囲。
そこには、ユニホーム姿で試合をしているサッカー部の部員達がいる。
そんな部員達の半分は、黄色い蛍光色のゼッケンを着ていた。
伸一君も、ゼッケンを着ている一人だ。
ボールを必至に追いかけて、ボールが来ればドリブルをする伸一君。
時々立ち止まっては、目を擦っている。
きっと砂煙のせいで、目に砂が入るんだ…。
あたしはそんな姿を心配しながら、周りのことが見えなくなるぐらい夢中で伸一君を見つめ続けた。
目を痛そうにしながら擦る姿を見る度に、
大丈夫かな?
って心配をして。
ドリブルをする姿を見る度に、
頑張って!!
って心の中で応援したりして。
シュートを決める姿を見る度に、
良かったね!!
って思いながら、こっちまで釣られて笑顔になったりして。
伸一君のことを、まるで自分のことのように感じるぐらい、伸一君の姿に見入っていた。