光を背負う、僕ら。―第１楽章―

小春ちゃんは、強い。



この状況の中でもあんなに凛としていられる。



そんな小春ちゃんは、本番に強いタイプだった。




「では、始めます。」




全員の準備が整った。



滝川先生の合図の言葉を聞いて、誰もがごくりと唾を飲み込んだ。



……今から、始まるんだ。



高校生の中でトップレベルとも言える実力を身に着けた東條学園の生徒。



そんな中に飛び込んだ、飛び抜けた才能を持つ幼き天才少女。



そんな人達が作り出す桁外れの音楽。



それは彼女達の手によって今、静かに旋律を奏で始めた――。