光を背負う、僕ら。―第1楽章―
どうしてこんなにも、小春ちゃんは遠いのだろう。



どうしてあたしは小春ちゃんと違い、何も進んでいないのだろう。



最近は、何度そう思ったかわからない。



だけどそう思う度、自分が何をすべきなのかはわからなかった。




遠い過去に失ってしまった夢は、未だに心の隅に残っていた。



だけどその夢を再び叶えたいと思ったとき。



一番理解してほしい人に反対されてしまったら、どうすればいいの?




あたしは、この前お母さんとたくさん話し合った時のことを思い出していた。




『夢を応援出来ない』




あたしに向かってそう言ったお母さん。



あたしが何度『頑張れる』と言っても、結局あの日は最後まで『応援する』とお母さんは言ってくれなかった。



あの日のお母さんはあたしが夢を譲れないのと同じくらい、自分の意見を譲ろうとはしなかった。



あたしはこれからもお母さんを説得しようと思ったけど、お母さんが意見を変えてくれる保証はない。





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