光を背負う、僕ら。―第1楽章―
周りの人達がさっきのあたしの声に反応していなくて、ホッと胸を撫で下ろす。
危ない危ない。
声のトーンには、ちゃんと気をつけないと。
あたしはもう一度声のトーンを落として、明日美との会話を続ける。
「…もう一回聞くよ?どうしてあたしが、演奏するの?」
あたしの問い掛けに、明日美は数秒ためらうような仕草を見せた。
明日美から言ってきたことなのに、どうしてためらうのかがわからない。
だから明日美の仕草がやけに不思議に思えて、あたしは首を傾けて明日美を見つめた。
明日美はあたしの視線に少し戸惑っていたけれどすぐに踏ん切りをつけたらしく、早口であたしに言った。
「…だって佐奈、小春ちゃんに負けないぐらいピアノ上手いでしょう?佐奈なら、小春ちゃんに劣らない演奏出来るかもって思って……。」
「そんなこと、言われても……。」
返す言葉を、それ以上言うことが出来なかった。
言うより何より、その返す言葉自体が見つからなかったんだ。
危ない危ない。
声のトーンには、ちゃんと気をつけないと。
あたしはもう一度声のトーンを落として、明日美との会話を続ける。
「…もう一回聞くよ?どうしてあたしが、演奏するの?」
あたしの問い掛けに、明日美は数秒ためらうような仕草を見せた。
明日美から言ってきたことなのに、どうしてためらうのかがわからない。
だから明日美の仕草がやけに不思議に思えて、あたしは首を傾けて明日美を見つめた。
明日美はあたしの視線に少し戸惑っていたけれどすぐに踏ん切りをつけたらしく、早口であたしに言った。
「…だって佐奈、小春ちゃんに負けないぐらいピアノ上手いでしょう?佐奈なら、小春ちゃんに劣らない演奏出来るかもって思って……。」
「そんなこと、言われても……。」
返す言葉を、それ以上言うことが出来なかった。
言うより何より、その返す言葉自体が見つからなかったんだ。