光を背負う、僕ら。―第1楽章―
「新学期が始まって三週間ぐらい経つけど、今みたいに言われてから席に着いているようではダメだ。 ちゃんとチャイムが鳴ったら着席をしなさい」
ザワザワザワザワ…
まるで自分のことではないような態度で先生の話を聞かずに喋るクラスメート達。
そんな生徒達に痺れを切らした先生は、さらに声を張り上げて言った。
「おいっ! 浜田だけに言っているんじゃないぞ! 全員に言っているんだ!」
さっきより迫力のある先生の声に驚いた生徒達は、喋るのをピタリと止める。
気まずい沈黙が流れた。
そんな沈黙を先生は静かに破る。
「君達は仮にも受験生だ。 当たり前のことを今から出来ないようでは、先々後悔するだけだぞ」
“受験生”…。
またあの単語が頭に残った。
「先生がこんなことを言うのは、こういうプリントを配るからだ」
先生はそう言いながら、最前列の人達にプリントを配り出した。
何についてのプリントかは、大体の予想がつく。