光を背負う、僕ら。―第1楽章―



フイッ……




あたしはあまりにも突然ということに対する驚きと、伸一君と目が合ったという緊張と恥ずかしさで、思わず目を逸してしまった。



しかも、かなり勢いよく……。



しまったー……。



目を逸した直後、あたしの中で後悔が生まれた。



だけどそれは、今さらどうすることもできない。



今だに後悔が生まれ続けてバクバクと鳴る心臓を落ち着かせながら、もう一度伸一君の方に目を向けた。



…あれっ?



伸一君を見たあたしは、思わず呆気にとられていた。



何度も瞬きを繰り返しては、伸一君を見る。



だってあたしが見た伸一君は、何事ともなかったように練習に戻っているのだ。



予想ではあたしがいきなり目を逸したから、てっきり伸一君は嫌な表情をしていると思っていた。



だけど実際は、反応なんて何もない。



それは、一体何を意味しているの?



目が合った人に目を逸らされても、単に気にならないだけ?




…それとも。


あたしと目が合ったことに気付いていないの?



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