光を背負う、僕ら。―第1楽章―
まだ小さい手の短い指で必死に奏で出したのは、他でもない“月の光”だった。
お母さんが譜面台に置いていた楽譜を見ながら、見よう見まねで曲を弾く。
正直言って、かなり下手くそな演奏だった。
今までに弾いたことがある曲なら簡単に弾けるけど、“月の光”は初めて弾く曲だった。
だからリズムも上手く取れていないし、楽譜を見ているにもかかわらず間違ってばかり。
だけどそんなあたしをお母さんは止めなかったし、止めようともしなかった。
娘が必死になって成長していく姿を、隣りでそっと見守ってくれていたんだ。
あたしだって、途中で投げ出すことなんてしない。
何度間違っても。
何度最初から弾き直しても。
演奏をやめることなんてしない。
無我夢中で、ピアノと向かい合っていた。
きっとこの時のあたしは、言葉にこそしなかったけど、きっと好きになっていたと思う。
必死になって弾いた、あの曲を。
そして、心のどこかで信じていた。
きっとこの曲は、ピアノが大好きなあたしとお母さんをいつまでも繋いでいてくれる。
そしてそれを、証明してくれるのだと――。
お母さんが譜面台に置いていた楽譜を見ながら、見よう見まねで曲を弾く。
正直言って、かなり下手くそな演奏だった。
今までに弾いたことがある曲なら簡単に弾けるけど、“月の光”は初めて弾く曲だった。
だからリズムも上手く取れていないし、楽譜を見ているにもかかわらず間違ってばかり。
だけどそんなあたしをお母さんは止めなかったし、止めようともしなかった。
娘が必死になって成長していく姿を、隣りでそっと見守ってくれていたんだ。
あたしだって、途中で投げ出すことなんてしない。
何度間違っても。
何度最初から弾き直しても。
演奏をやめることなんてしない。
無我夢中で、ピアノと向かい合っていた。
きっとこの時のあたしは、言葉にこそしなかったけど、きっと好きになっていたと思う。
必死になって弾いた、あの曲を。
そして、心のどこかで信じていた。
きっとこの曲は、ピアノが大好きなあたしとお母さんをいつまでも繋いでいてくれる。
そしてそれを、証明してくれるのだと――。