光を背負う、僕ら。―第1楽章―
そんな緊張をほぐすために、何度も何度も深呼吸をした。



その際目の前の楽譜を見ながら、“月の光”の旋律を確認する。




「始めてもいいですか?」




滝川先生の声に気付いて視線をそちらに向けると、在校生の人達と滝川先生は準備が整っているみたいだった。



あたしもすでに、心の準備は出来ていた。



緊張するといつも震えてしまう手は、今はもう震えていない。




「――はい。始めてください。」





――さぁ。

ショータイムの始まりだ。





< 414 / 546 >

この作品をシェア

pagetop