光を背負う、僕ら。―第1楽章―

認められる才能

あたしが何度もお辞儀を繰り返すうちに、あれだけ盛り上がった拍手も徐々に小さくなって消えていった。



そして最後の拍手の音が消えようとしたその瞬間。



それは突然、あたしの耳に入ってきた。




「いや~、君達!本当に素晴らしい演奏だったよ!」




突如あたしの耳に入ってきたのは、聞いたことのない男の人の感嘆の声だった。




えっ、いきなり何?




突然の声の登場に驚いているのはあたしだけではないみたいで。



部屋の中にいる人みんなが何事だと思いながら、部屋の中をキョロキョロと見渡している。



あたしも声の主を探すために、視線を室内に行き渡らせた。



だけどいくら室内の中を探り見ても、声の主らしき人物の姿を確認することが出来ない。




おかしいな…。

声は聞こえるのに、誰の声なのかわからないなんて。




……と、そう思った時だった。




部屋の入口の前。


そこに集まっていた中学生達が、さっと入口の前から退いた。



まるで、入口の前に道を作るかのように。





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