光を背負う、僕ら。―第1楽章―
後輩達の後に続いて音楽室に入ると、何人かの部員の姿があった。
すでに、明日美と流歌は音楽室に戻ってきていた。
あたしは全員で練習をする際に必要な準備を済ませた後、自分の配置である椅子に座った。
「みんなー、始めますよ!」
ちょうど椅子に座った時、顧問の女の先生がそう言った。
顧問の先生は、鈴木先生という若い先生。
今年新任されたばかりの新米先生だけど、指揮がとても上手い。
それだけじゃなく、いろんな楽器の演奏が出来る。
しかもそのどれもが、とても上手い。
そんな鈴木先生は、あたしの憧れの先生でもあるんだ。
部員全員が配置に着くと、鈴木先生の表情がきりっとした表情になった。
なんだか、職人の顔みたい。
…と思いながら先生に視線を向ける。
先生はタイミングを見計らい、指揮棒を持つ手をスッと上げた。
それを見て、フルートを口元に近付けて構える。
そして鈴木先生の指揮で、演奏が始まった。
♪~♪♪~♪♪♪~♪~♪~♪♪~♪♪~♪
今演奏している曲は、近々コンクールで演奏する曲だ。