光を背負う、僕ら。―第1楽章―
あたしの笑顔が作り笑いであると知らない学園長は、あたしの表情を見て嬉しそうにしていた。




一つの嘘を塗り固めて、また新たな嘘をついていく。



その代償というものを、あたしはひしひしと感じていた。



あたしがいつか、自分から全てを話す時を待ってくれている、明日美と流歌の優しさ。


鈴木先生や学園長がピアノを褒めてくれる時の笑顔。



それらが全部、あたしを今でも苦しめて放さない。



嘘をつく時の代償はあまりにも残酷で。


ただあたしに、追い討ちをかけるばかりだった。




「…ところで、君の名前はなんと言うんだい?ぜひ、名前を覚えておきたい。」



「あっ、はい。あたしの名前は――。」





人が進む道は、決して平らな道ばかりではない。



歪んだ道の上を歩いて、やっと平らな道に辿り着く。



……だったらあたしは。


いつになったら、平らな道に辿り着けるのだろう。



――あたしはまた、歪んだ道の上に足を踏み入れた。





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