光を背負う、僕ら。―第1楽章―



二人の表情を盗み見ると、「どういうこと?」とあたしに訴えかけているように思えた。




……ごめんね、二人とも。



今まで隠し続けてきたこと。


全部、二人に話したかった。


ちゃんと、自分の口から。



だけどこんな形で二人に知られてしまうことになるなんて…。



きっと二人は、あたしに嘘をつかれたことに気付いて凄く傷付いているはず。



あたしだったら、親友に何だって話してほしい。



隠し事をすることも、嘘をつくこともなく。



そうやって心の内まで全て曝け出せるのが、本当の親友のはずだから。



……だったらあたしは、二人の親友失格かな。




二人には、今更だけどちゃんと説明したいことがたくさんある。



だけど今は、それを言っている場合じゃない。



だってあたしはまだ、今からみんなの前でまた嘘を重ねなければならないのだから……。




あたしはみんなに尚、嘘をつき続けることに罪悪感を感じながらも。



固く決意をして口を開いた。



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