光を背負う、僕ら。―第1楽章―



『体験入学が終わった後でまた会おう』



どうしようかと考えながら明日美の顔を見ている間、学園長の言葉が脳内で何度もこだまする。



その度に気持ちが焦っていくような気がして、考えようと思っても上手く頭が働かなかった。




…本当に、学園長と何を話していいか分からない。



顔を合わせることだって、気が重くて仕方ない。



だけど、学園長に呼ばれたからには行かないと……。



でも、みんなにも話をしようと言ったばかりだし……。




考えるばかりで何一つ良い案が浮かんでこないことに、気持ちが焦るだけじゃなくて苛ついてくる。



全部自分のことなのに、どうして自分で解決出来ないんだろう。



こういう切羽詰まった状況に陥ると、自分の無力さが浮き彫りになるような気がする。




変わりたい、と。


強く、そう願ったときだった。



今までは何一つ思い付かなかった頭に、清々しい風が吹き込んだような気がした。



そして固まっていた体が、自然と動きだす。



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