光を背負う、僕ら。―第１楽章―

「学園長への伝言、先生が伝えてくるわ」



……えっ？


鈴木先生の言葉の意味をすぐには理解出来なくて、驚きの声さえ出せなかった。



遅れてやっと、声を出すことが出来た。



「えっ、でも、そんなこと鈴木先生に頼めないです。 だって――」


「これぐらい、先生は全然構わないのよ？」



だって――あたしの問題だから。



言おうとした後半の言葉は、鈴木先生にわざとらしく書き消されてしまった。



鈴木先生のその様子から、あたしはそれ以上断ることが出来なくなってしまった。




…どうしてなの？


鈴木先生は、どうして自らあんなことをしたのだろう。



全部、あたしの問題なのに…。



鈴木先生があたしのことを思ってああ言ってくれたのだったら、迷惑かけちゃったな…。




鈴木先生に余計な迷惑をかけてしまったと思うと、だんだん鈴木先生と目を合わせていられなくなって。



自然を目線が下へ下へと下がっていく。