光を背負う、僕ら。―第1楽章―
迷惑をかけてしまったと思う度に、少しずつ気まずくなって。
下へと下がっていった目線は、床を向いたまま固定されてしまったように動かせなくなってしまった。
「何もかも、全てを一人で抱え込まなくてもいいのよ?」
何を言っていいのか分からなくて困っていたあたしには、鈴木先生の言葉は救いのように思えた。
けどよくよくその言葉を聞いてみると、頭上にハテナマークが浮かんだ。
「それって、どういう――」
「じゃあ私、学園長の所に行ってくるわね」
意味ですか、という最後の言葉をまたしてもあたしに言わせないまま。
鈴木先生はさっさと歩いて講堂から出ていってしまった。
その後ろ姿を、あたしは呆気に取られながら見つめることしか出来なかった。
……なんだかあたし。
学園長や鈴木先生。
色々な人達に言葉を遮られてばかりいるかも…。
その事実に苦笑いをしつつも、あたしは鈴木先生に感謝をしていた。
だっておかげで、今からみんなに話をすることが出来るのだから。