光を背負う、僕ら。―第1楽章―



……あぁ、そうか。


あたし、嬉しいんだ。



みんながあたしに優しくて。


嘘をついていた訳を理解しようとしてくれて。



何よりも、温かくて。

誰よりも、優しい。



そんなみんなが友達であることが嬉しくて、涙を流しているんだ――。




「…みん…な、ひっく。 ありが…とう」



涙声で喋っても、上手くみんなに伝わっていないかもしれない。



だけど嬉し涙が、全然止まってくれなくて。



あたしは両手で顔を押さえながら、みんなの優しさに甘えた。




泣いてばかりで、

ごめんなさい。


みんなの優しさに甘えてばかりの、

弱虫でごめんなさい。


泣いたからって、

何にも解決しないよね。



……あたし、強くなりたいよ。


みんなの優しさにばかり甘えてるだけじゃない、堂々と胸を張れる人に。



だからちゃんと……説明するね。




あたしは一度ぎゅっと目を瞑って涙を堪えた。



「…みんな、――本当にありがとう」



目尻に残った涙の粒を指先で拭う。



みんなはまた、優しく微笑んでくれた。



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