光を背負う、僕ら。―第1楽章―
「今まで嘘をついておいてこんなこと言いにくいんだけど…。
今日あたしがみんなに話したことは、他の人達に内緒にしておいてほしいの。
このことは、この場にいる吹奏楽部のメンバーだけにしか話してないから。
…特に、あたしと笹川詩織の関係は内緒にしておいてほしい、です。
みんな、お願いします」
あたしはみんなを信じて、頭を下げてお願いした。
いくら秘密がばれたと言っても、これ以上ばれてしまうことはやっぱり躊躇(ためら)ってしまう。
だから、みんなにも協力してもらいたい。
きっとみんななら、あたしの頼みを受け入れてくれると思うんだ。
「…うん、いいよ!」
「それぐらいの頼み、いくらでも任せといてよ!」
頭を上げたあたしにかけられた言葉は、やっぱり予想通りの優しい言葉の数々だった――。
優しさに触れる度、
胸の奥が熱くなる。
沸き起こる感情が、
温かい涙となって流れ出す。
……友達っていいな。
今日は、身近にいる大切な人達の存在に改めて気付かされたような気がした。
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