光を背負う、僕ら。―第1楽章―
憧れと尊敬
―――――
―――
みんなとの話が終わると、学園長室に行く用事があるということであたしだけが先に講堂から出ることになった。
――すると。
「…っ!? すっ、鈴木先生!!」
「…あっ、もう話は終わった?」
講堂から出て少し歩いたところ。
そこにある柱の横をあたしが通り過ぎようとした瞬間、鈴木先生は柱の陰から突然現われた。
あまりにも突然の出来事に、心臓がびっくりして急にうるさく鳴り出す。
「ごっ、ごめんね佐奈ちゃん!! 驚かすつもりはなかったのよ…」
余程驚いた顔をしていたのだろう。
あたしの驚きっぷりに、鈴木先生は困ってしまっているみたいだった。
「あっ、先生大丈夫です! もう落ち着きましたから」
「そう…。 それなら良かったわ」
相当心配までしていたらしく、平気な様子を見せると安堵の表情を見せていた。
あたしはそんな鈴木先生を見ながら、あることに気付いていた。