光を背負う、僕ら。―第1楽章―
それにね、思うんだ。
あたしが今歩いている道は、舗装された道なんかじゃない。
道そのもののありのままの姿で、でこぼこしていて歩きにくい。
だけど最近は、それでもいいと思えるよ。
だって歩きにくいのなら、慎重に歩いていけばいい。
もし道の先に障害物があったら、乗り越えていけばいい。
その力と努力は、いつしかあたしの自信に繋がるはずだから。
そして、もしも道の先が途切れていたのなら。
自分の力で道を繋げて、そこを歩いていけばいい。
そうすればきっと、あたしだけの正しい道を歩いていけるはずだから――。
「…それは、私には答えられない」
ずっとあたしの顔を見たまま言葉を考えていたであろう先生が、静かに話し出した。
「私には、佐奈ちゃんの夢が間違っているかなんて分からない。
お母さんだって反対しているけれど、本当はそれが正しいかどうかも分かってないんじゃないかしら?」
「でも先生、そんなのおかしいです。
反対しているのに、分かってないなんて」
先生の言葉を聞いていると、大人は勝手だと思ってしまう。
そんなあたしの気持ちを察したように、先生は続けて話した。