光を背負う、僕ら。―第1楽章―



「反対しているのに分かっていない。 確かにそれはおかしいことよ。
でもそれは、佐奈ちゃんのお母さんが“反対したくない気持ち”を持っていることも意味しているわ」



「先生はそう言いますけど、あたしにはそう思えません。
だってお母さんは、何を言っても理解してくれなかったから…」




お母さんに夢を打ち明けたときのことを思い出すと、知らない間に俯いてしまう。



あれだけ反対されたのだから、もう絶対認めてもらえないような気がして悲しかった。




「でもお母さんは反対したとき、反対する理由を言っていたでしょう?
その理由があるからこそ、反対せざるを得なかったんじゃないかしら?」



「それは…」




先生に言われて思い出した、お母さんが反対している理由。




『私と同じ道を歩いて欲しくない』




確かにそれは、理解出来ないこともない。



自分の子供に辛い目に遭って欲しくないと思うのは、親の本望だと思うから。



――でも、あたしは。



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