光を背負う、僕ら。―第1楽章―
その存在をしっかりと目に焼き付けて、忘れないように瞳の中に閉じ込めた。
――絶対また、ここに来よう。
学園長の前で誓ったことを確かなものにするように、またそう強く願った。
「佐奈、行くよー!」
名前を呼ぶ声に振り返ると、先に進んでいたみんながあたしを手招きしながら待っている。
学園を出たばかりの頃のよりも長く伸びた影を見つめながら、止めていた足をしっかり地面について再び歩き出した。
「今行くよー!」
あたしは歩き続けていく。
どんなに辛い道が続くこの道でも。
大切なものを失わないように。
見つけた光を失わないように。
目指したその場所へ、
辿り着いてみせるから。
――ずっと、ずっと。
―第2楽章につづく―
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