光を背負う、僕ら。―第1楽章―
もう一つは、一度この物語のことを作者自身が整理したかったためです。
この作品は最初、自分自身に向けた作品でした。
夢って何だろう。
私が進みたかった道は何なのだろう。
高校受験を終えたばかりでしたが、そんな疑問に悩まされることがあったのです。
その疑問を解決したくて、答えを求めるようにこの作品を書き始めました。
やりたいことを口に出来ず、母親の言う通りに過ごしていた佐奈。
あれは、中学生だった頃の私みたいなもの。
何が正しいのかも分からずに、自分の気持ちを押し殺していました。
そんな過去の私を佐奈として書き進めるうちに、私や佐奈と同じように悩んでいる人がいるのではないかと思い始めました。
上手く自分の想いを言葉に出来ない。
でも、心が求めているものがあった。
そんな気付きがあることを、いつしかたくさんの人に知って欲しいと思うようになったのです。