光を背負う、僕ら。―第1楽章―



あたしはクラスが違ったけど、二人が仲良さそうにしている所を何回か見たことがある。



だけどまさか、付き合うとは思っていなくて…。



付き合いだしたと知った時は、すごくショックだった。



でも実際は心のどこかで、付き合うかもしれないと予測していた。



だけどそんな事実は信じたくなかった。



だからできるだけそう思わないようにしていた。



だけど、結果は同じ。



事実を信じたくなかった心は、どんな風に思っていてもショックを受けた。



むしろ、ショックは大きかったのかもしれない。



だけど今は、ショックを受けることも少ない。



それはきっと、小春ちゃんと伸一君の姿を見ているからだと思う。



普通だったら、好きな人が誰かと付き合っている姿を見たら、ショックを受けるかもしれない。



だけどあたしは、そんなにというほどショックは受けていなかった。



確かに最初は二人の姿を見る度に辛くて、苦しくて。



胸が張り裂けそうで……泣きそうだった。



だけど、二人の表情をまじまじと見ていたらそれが変わった。



小春ちゃんも、伸一君も、笑顔だったんだ。



世界で一番幸せっていうような顔で、いつも笑っているんだ。



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