光を背負う、僕ら。―第1楽章―



……だって。



小春ちゃんは今でも素晴らしい演奏をしている。



だけど、それでもまだまだ満足していない。



だからこそ小春ちゃんは、これからも成長する。



そう……感じたんだ。




……やっぱり、小春ちゃんはすごいね。






小春ちゃんの才能や考え方に驚く一方で。



あたしは別のことでも頭が一杯になっていた。



…それにしても。


小春ちゃんにあたしのピアノを聞かれた時は驚いた……。



何と言っても、あの有名ピアニストの娘に聞かれてしまったんだもん。



素人のあたしの演奏なんかが聞かれるのは、何だか恥かしいよ。





…その時だった。





キィー……




あたし達が会話をする声で賑わっていた音楽室に、突然ドアが開く音が響いたのは――。


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