光を背負う、僕ら。―第1楽章―
あたしの両親は根っからの真面目な性格をしている。
二人共、学生時代は優秀な成績を収めていたらしい。
そんな二人は唯一の一人娘であるあたしに、自分達と同じようになってほしいみたいだ。
『進学校に行って、いい大学に入って、いい仕事に就くのが一番だ』
小さい頃からそんなことを言われ続けてきたのは、今となっては当たり前のこと。
塾にも毎日のように通い続けて、家でも勉強をするのが日課で。
わからないところは両親が教えてくれるから、成績はみるみるうちによくなった。
勉強ばかりの毎日。
授業のスピードが早い塾。
きっちりとした態度に生活。
……そして。
両親の期待と共に決められた、あたしの将来。
少し窮屈な毎日だけど、あたしはこんな毎日を坦々と過ごしている。
どこにでもいるような普通のあたし。
……いや。
むしろ地味なあたしだけど、平凡な毎日を過ごしていたんだ。
ただ、あのことを除いては……。
キーンコーンカーンコーン…
あっ…。
あたしは突然鳴ったチャイムの音で、ゆっくりと現実世界に帰ってきた。