光を背負う、僕ら。―第1楽章―
そう思った時、明日美と流歌を待たせていることを思い出した。
そろそろ戻ろう。
あまりにも長い間二人を待たせていると、きっとまた心配をかけてしまうから。
二人に申し訳ない気持ちで一杯になりながら、個室から出てトイレを後にした。
ペタペタペタペタ…
階段を降りる際、上履きやけに音を立てる。
下校時間をとっくに過ぎた校舎にはもちろん生徒の姿はない。
そのせいかして、やけに校舎は静まり返っていた。
廊下の窓から見える空は、赤に近いオレンジ色に染まっている。
そんな空を見つめながら、動かす足を少しだけ早めた。
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