光を背負う、僕ら。―第1楽章―
結べたと思ったら緩かったり、力を入れすぎたせいでスルッと紐がほどけたりする。
焦れば焦るほど、それが続いた。
あたしが靴紐に苦戦する中、小春ちゃんと伸一君の会話が続く。
「やけに今日は遅かったな。」
そう言いながら古びた傘立てにもたれ掛かる伸一君の姿は、うつむいていても目の端で確認できた。
「うん、ピアノ弾いてたから遅くなっちゃった。」
小春ちゃんの声に混じって何かの音がした。
きっと、靴を地面に軽く投げた音だろう。
その証拠に、靴のつまさきを地面にトントンとする音も聞こえる。
ふと思った。
この状況、明らかにあたし達って邪魔者?
今昇降口にいるのは、小春ちゃん、伸一君、明日美、流歌、そしてあたしの五人。
会話をしているのは小春ちゃんと伸一君のみ。
あたしを含める三人は、誰一人口を開こうとはしない。
うっかりすると、二人の会話に聞き耳を立てているようにも思われる状況だ。
実際あたしは、聞いているけれど。
ましてや二人が付き合っているとなると、ここはあたし達が気を使ってさっさとこの場を去るべきなんじゃ…?
焦れば焦るほど、それが続いた。
あたしが靴紐に苦戦する中、小春ちゃんと伸一君の会話が続く。
「やけに今日は遅かったな。」
そう言いながら古びた傘立てにもたれ掛かる伸一君の姿は、うつむいていても目の端で確認できた。
「うん、ピアノ弾いてたから遅くなっちゃった。」
小春ちゃんの声に混じって何かの音がした。
きっと、靴を地面に軽く投げた音だろう。
その証拠に、靴のつまさきを地面にトントンとする音も聞こえる。
ふと思った。
この状況、明らかにあたし達って邪魔者?
今昇降口にいるのは、小春ちゃん、伸一君、明日美、流歌、そしてあたしの五人。
会話をしているのは小春ちゃんと伸一君のみ。
あたしを含める三人は、誰一人口を開こうとはしない。
うっかりすると、二人の会話に聞き耳を立てているようにも思われる状況だ。
実際あたしは、聞いているけれど。
ましてや二人が付き合っているとなると、ここはあたし達が気を使ってさっさとこの場を去るべきなんじゃ…?