光を背負う、僕ら。―第1楽章―
伸一君のあとについて、小春ちゃんも足を踏み出す。
だけど、すぐに止まって振り向いた。
「佐奈ちゃん、またピアノ聞かせてね。」
まるで無邪気な少女のようだった。
「うん。」
あまり乗り気ではなかったのに、口は勝手にそう動いていた。
「みんな、バイバイ。」
小春ちゃんはあたし達に手を振る。
「バイバイ。」
と明日美と流歌が手を振る。
あたしも
「…バイバイ。」
と言って手を振ると、小春ちゃんは少し先に行ってしまった伸一君を追い、小春ちゃんが追いつく頃には下駄箱の影へと二人の姿が消えた。
「「「…はぁー。」」」
二人の姿が見えなくなった途端、見事に三人のため息が重なった。
どのため息も、かなり深い。
「佐奈、何そのため息。暗いよー。」
とすかさず言うのは明日美。
あたしはしどろもどろしながら、
「えっ、暗いため息は流歌でしょ?」
と明日美に言われたことを伝言するように流歌に言う。
「違うよ。今のは明日美だよ。」
と流歌が言ったので、見事に伝言は最初に言った明日美にと伝えられた。
だけど、すぐに止まって振り向いた。
「佐奈ちゃん、またピアノ聞かせてね。」
まるで無邪気な少女のようだった。
「うん。」
あまり乗り気ではなかったのに、口は勝手にそう動いていた。
「みんな、バイバイ。」
小春ちゃんはあたし達に手を振る。
「バイバイ。」
と明日美と流歌が手を振る。
あたしも
「…バイバイ。」
と言って手を振ると、小春ちゃんは少し先に行ってしまった伸一君を追い、小春ちゃんが追いつく頃には下駄箱の影へと二人の姿が消えた。
「「「…はぁー。」」」
二人の姿が見えなくなった途端、見事に三人のため息が重なった。
どのため息も、かなり深い。
「佐奈、何そのため息。暗いよー。」
とすかさず言うのは明日美。
あたしはしどろもどろしながら、
「えっ、暗いため息は流歌でしょ?」
と明日美に言われたことを伝言するように流歌に言う。
「違うよ。今のは明日美だよ。」
と流歌が言ったので、見事に伝言は最初に言った明日美にと伝えられた。