光を背負う、僕ら。―第1楽章―
「あっ、そうだ。ごめんね、ずっと鞄持ってもらっちゃって。」



「全然いいよ、持ってること一瞬忘れてたし。」



「流歌らしいね、ありがとう。」




流歌の笑いにつられて笑いながら、流歌から鞄を受け取る。



ズシッと体に重さが伝わる。



そんな鞄を持ち上げて肩からかけた。



肩にかけても、手で持った時と重さはたいして変わらないようだ。




「………。」




無言のまま二人を見る。



あたしは黙っていたけど、どうして二人がため息をついたのかわかっていた。



あたしがため息をついたのは、やっぱりあの二人を見たせいだ。



二人の姿が見えなくなった瞬間、張っていた気が緩む。



すると鉛のような気持ちが、ドッとのしかかってきたんだ。



そうしたらつい、あんなため息が出た。



二人はきっと同じ空間にいたそんなあたしの気持ちを悟った。



きっと、共感みたいな感じだろう。



そして、あんなため息を二人もついたというわけだ。



きっとそんなこと、あたしの気持ちを考えたりしてくれなかったらなかったはず。



だから二人があたしのことを考えてくれていたのが、すごく伝わったんだ。




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