追っかけバンドマン


「あのね、その左っ側の人が、園田くん。毎朝美香が電車に乗ってくるまでの間、一緒なんだ。へへ」

ソファにすわりながら、耳元で教えてくれた。

ふーん、あれが園田くんか。確かにみさきのタイプ。
整った顔、すらっと伸びた手足、濃い顔でわなく、さっぱりとした塩ラーメンのようなさっぱりさ。

彼のことを『イケメン』と呼ぶんだろう。


けど、どちらかといえば右の方に座っている方があたしわ、好みだ。

どちらかといえば短髪で、顔わ園田くんよりも薄いし、細い。と、言っても、よく見れば腕や、足に筋肉がついていて、盛り上げ役でわないが、人気のありそうなタイプ。


「えっと、みさきです。M女の1年生です。よ、よよよよろしくお願いします。」

みさきの自己紹介わ、あたしも緊張しちゃうくらいがちがちだ。
でも…そんなみさきわ、恋をしてるのも、びしびし伝わってくる。

おっと、次わあたしの番だ。
「えー、美香です。彼氏わいません。よろしく。」
ぶっきらぼうにそう言って、軽く頭を下げた。


「えっと、園田ですっ。あっ、健人でよろしく。F校の2年生。もちろんタメでよろしくね。」

出た!!王子スマイル!!!
モテる人わ、必ず必殺技をもっている。

隣の、みさきわすでにハートマーク。もう、めろめろだ。


< 11 / 70 >

この作品をシェア

pagetop