追っかけバンドマン


「ふ~ん、そんなことになったんだね。」


「まあねぇ、別に良いんだけどさ。」


「そっか、んで今探してるわけね。」


「うん。」


「分かった、探してみるね。アドレス知ってる人に片っ端メールしたげる!!」


「ありがと~、さすがみさきだ。」


良かった、昨日沢北さんが急に『ドラムが必要だ、今から探さないと。』なんて言い出すから、みさきにドラムが叩ける人が誰かいないか、聞いてもらうことになった。

まだ音楽を真剣にはじめたばっかだから、今のあたしたちにドラムの音が必要なのかわよく分からないけど、沢北さんが必要ならそれでいい。


「まぁ、任してよ。確か塾の友達かなんかにドラムが叩ける人いたような気がするし。メールしてみるね。」


「うん、ありがと。」


「だって、あたしも美香がプロとかになって欲しいもんね。」


「みさき…」


そうだよ、音楽はじめたばっかだからって、よく分からないなんていってられない。
お父さんだって、みさきも他にも色々な人からの支援を受けているんだから。もっと音楽に貪欲になって、沢北さんみたいに1日でも早くならなくちゃいけないんだから。



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