また来世で会いましょう 〜恨みの枷〜
「でもお前は、こんな俺でも愛している。現に…今も」
「……愛してる?随分と自惚れがすぎるのね」
私は嘲笑する。
彼の言葉通りだ、ということを悟られない為に。
その悟りを否定するかのように。
「自惚れ、か。そうか…」
「そうは思ってはない顔ね」
「いや、それも考えたさ。でも、俺が…そうだったからな」
「何よ……それ」
「今はお前がそうだ。
以前は俺が…お前を恨んで、この手に掛けた。…それでも、愛していた」
「……」
「覚えていないか?…まぁ、いい。ずっと昔のことだ、無理もない。
俺も…お前に会ってしばらく経ってから、思い出したくらいだからな」
「……」
「待っていたんだよ。
お前は、以前俺の手に掛けられた…その恨みを、いつか晴らすだろうと…分かっていたから」
「……」
「これでお前の“枷”は外れたな。お前の恨みは、俺が…全て持っていく。これでお前は自由になれる」
彼は、私の言葉を待たずにか細くそう告げて。
無意識のうちにその場に跪いていた私の頬に、血に染め上げられた手を伸ばしてきた。
「……愛してる?随分と自惚れがすぎるのね」
私は嘲笑する。
彼の言葉通りだ、ということを悟られない為に。
その悟りを否定するかのように。
「自惚れ、か。そうか…」
「そうは思ってはない顔ね」
「いや、それも考えたさ。でも、俺が…そうだったからな」
「何よ……それ」
「今はお前がそうだ。
以前は俺が…お前を恨んで、この手に掛けた。…それでも、愛していた」
「……」
「覚えていないか?…まぁ、いい。ずっと昔のことだ、無理もない。
俺も…お前に会ってしばらく経ってから、思い出したくらいだからな」
「……」
「待っていたんだよ。
お前は、以前俺の手に掛けられた…その恨みを、いつか晴らすだろうと…分かっていたから」
「……」
「これでお前の“枷”は外れたな。お前の恨みは、俺が…全て持っていく。これでお前は自由になれる」
彼は、私の言葉を待たずにか細くそう告げて。
無意識のうちにその場に跪いていた私の頬に、血に染め上げられた手を伸ばしてきた。