ただすきだから・・
「奈由っお前、かかしの良さをちゃんとわかってるじゃねぇか!!」
え?
秋人の思いがけない返事に驚くあたし。
え、いや、普通に。そこ!?
みたいな。
だってあたし、アンタを馬鹿にしたんだよ!?
…って思ったけど、ま、いっか♪
そう思って、秋人のノリに便乗する。
「わからないわけがないっ」
「だよなっ!!」
言い忘れていたけど一応、ここは校門の前だ。
たくさんのひとたちが通る中、あたしたちは大声を出して、言い争ってたんだ。
しかも、話の中心は――かかし。
たくさんの人に冷ややかな目で見られている。
でもそんなことお構いなし、といったふうに、
かかしの話題で盛り上がるあたしたち。