ただすきだから・・
あたしが隠れている建物の後方から、聞き慣れた…聞き慣れたのか?…と思うような声が聞こえた。
声がしたほうを振り返る。
「和泉優っ!?」
と、そこにいた人物に驚いて、大声を出す。
がすぐに、『自分は今尾行中なんだ』と思い出し、口に手をバッと持ってくる。
…遅いでしょ
とか思いつつ、二人のほうを確認する。
二人は変わらず笑顔で話してて、ちょっとイラッとするが、あたしの声に気付いたわけでもないみたいなので、ホッとした。