あなたのペット的生活
BAD master
「ねぇ、孝ちゃん?この問題なんだけど……」
中学3年生の冬。
受験まであともう少しの詰め勝負。
そんな大事な時期に孝ちゃんは私の家庭教師に任命された。
「バカか、お前は。俺は今マンガ読んでんだよ。自分で考えろ」
「でも……孝ちゃん、私の家庭教師でしょ?」
「それは乃亜のおばさんが勝手に話進めて。俺は同意してねぇし」
「でも、せっかくだから教えてよ」
「う〜る〜さい!これ読み終わったら考えてやる」
「……もし、受験失敗したら絶対孝ちゃんのせいだ」
「はぁ?!お前の実力不足だろ?」
「教えてもらってないのに、実力なんかつかないし」
「ふ〜ん」
孝ちゃんは視線をこちらに向けるとニヤリと意地悪に笑った。