あなたのペット的生活
「悪い、待たせた!」
「あっ!孝二ぃ!!」
彼女は何事もなかったように孝ちゃんに手を振る。
走ってきた孝ちゃんの手を当たり前のように取り、当たり前のように孝ちゃんの隣にいる。
孝ちゃんの隣は私の居場所なのよと言いたげに……。
そんな2人の姿なんか見たくない。
キュッと唇を噛みしめ、足元に視線をやった。
「乃亜?どうかした?」
こんな優しいの孝ちゃんじゃないのに。
いつもみたいに意地悪く笑ってよ。
眉間にシワ寄せててよ。
「……なんでもない」
変なの。
私、声が震えてる。