あなたのペット的生活
「おい!!」
孝ちゃんの怒ったような怒鳴り声が響くけど、振り返りはしない。
今、もし、こんな顔を見られたら、きっと……もうペットとして孝ちゃんの傍にいられない気がしたから。
「……っく……ひっく、ぅわ〜……」
玄関に入るとそのままその場に座り込んで、声を上げて泣いた。
このまま、今日は一杯泣いて、今日までの分の涙を流して、明日からの涙も全部流して、涙を枯らして……
また明日から、何事もなかったように孝ちゃんの元にシッポを振って愛想を振りまくの。
それが、ペットとしての私のちっぽけなプライドだから。
彼女がいてもいいよ。
ペットに恋愛感情は抱かないもんね。
でも、たまには私の元に帰ってきてエサを与えてね?
ご主人様。