あなたのペット的生活



枯らしたはずの涙が再び溢れてきた。


全部流しだそうって決めたのに、いくら涙が枯れたと思っていても涙はいつもいつも溢れてくる。




孝ちゃんに会いたい。


会えない。


でも会いたい。




犬でもいい。


下僕でもいい。



なんでもいいから早く孝ちゃんに会いたいよ。





だけど、孝ちゃんは帰ってこなかった。


部屋に灯りが点くことはなく夜が明けてしまった。


孝ちゃんの帰りを待ってた私は当然徹夜。


瞼は赤く腫れ、目の下は軽くクマが出来ている。



最悪だ。

こんな最悪なのに朝はくるし、いつも爽やかに感じていた鳥のさえずりは気分を更に落とした。


結局、孝ちゃんは帰ってこなかった。




それは何を意味するのか……さすがに高校生になるとわかる。



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