あなたのペット的生活


なぁんだ。


彼女と朝帰りじゃなかったんだ。



そっか。

自然と緩む口元を孝ちゃんが見過ごすことはなかった。




「何?もしかして、昨日の奴、彼女だと思って泣いたわけ?」

「ちっ!ちがう」


「ふ〜ん。俺が朝帰りしたと思ってたんだ。へぇ〜」




違うといくら否定しても、真っ赤に染まる顔はごまかせなくて、いっそのこと告白してしまおうかと思った。





好き。

孝ちゃんが好き。


大好き。


ずっと好き。

ずっとずっと大好きだった。




ずっと振られるのが怖かった。

今の関係が崩れるのが怖かった。

でも、昨日、はっきりわかった。



関係が壊れるよりも、何よりも、孝ちゃんが彼女を作ってしまうことのほうが怖い。




言おう。



いつも見てました。

あなたのことが好きですと。


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