あなたのペット的生活


長ーい沈黙が2人を包み込んだ。



どうでもいい話だけど、沈黙って耐えられる相手と、耐えられない相手がいるんだよなぁ。


あれってなんでなんだろう。




「じゃあ」

「あ……送ってくれてありがとう」


「ついでだから」




駅まで送り、その足で近くのファミレスに向かう。


学校に行かなかったのにバイトに出るってどうなんだろ。


まぁいっか。金になるし。




ファミレスのドアを開けると申し訳なさそうに笑う店長に出会った。



「いやぁ〜、急に本当悪いねぇ」

「いえいえ。いいですよ、これくらい」


「本当に助かる!」



店長は今まで見せていた申し訳なさそうな笑顔が嘘だったかのようにニコニコと笑いながら奥へと引っ込んでいった。




「……そういえば」



ウェイターの制服に着替えてる時にふと思い出した乃亜の後姿。


泣いてるように見えた。



けど、俺は何も泣かすようなこと言ってないし、あの女が泣かしたのか?

ともかく、バイト終わったら乃亜に話を聞きにいこう。



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