あなたのペット的生活


力が入っていないことを表すように乃亜の腕はプラーンと垂れたままだ。




「目、開けろよ。乃亜?乃亜!!」



ギュッと強く強く抱きしめると、「孝ちゃん!!」

おばさんの声がして、気づくとパチーンといい音がした。



叩かれたのだとはっきりと分かったのは、左頬がジンジンと痛み、熱をもっていたからだ。


そっと左頬に触れる。




「孝ちゃん、動かしちゃダメよ」



おばさんの凛とした声が不安な心を引き締める。




「すいません」

「今、救急車呼んだから。あと、右足、多分骨折してるからむやみに触らないで」




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