あなたのペット的生活
「おばさん、おはよう!昨日はなんていうか……ずっと寝ちゃってごめんなさい」
次の日の朝。
私はさっそく岩熊酒屋にきていた。
なぜなら……そう。
孝ちゃんに会いにきたのだ。
「あら、乃亜ちゃん。いらっしゃい♪昨日のことなんてなんてことないんだから。気にしないの」
おばさんは豪快にガハハっと笑うと『岩熊酒屋』と書かれた前掛けエプロンに手をかけた。
「あの……孝ちゃん、いる?」
「まだ2階で寝てるんじゃないかい?
いい時間だ、起こしてきてやってくんないかい?」
「ラジャー♪」
手を額にかざし、敬礼をして、勝手知ったる岩熊家に上った。
『コンコン』
「孝ちゃ〜ん?」
ノックをするも孝ちゃんからの返事はない。
寝てたらなかなか起きないのが孝ちゃんだ。
返事がないのも当たり前。