あなたのペット的生活



文句のひとつでも言ってやりたいのに、でも孝ちゃんは目の前にいない。


急いで孝ちゃんの番号に電話をかける。





『もしもし?』

いつもの孝ちゃんの声。

なんで、そんなに普通なのよ〜!



「こ、孝ちゃ……」

うぅ〜泣いているからうまく喋れない……。




『はっ?紅茶??』

「ち、ちが……孝ちゃん、なんでいないのぉ〜?」



うわ〜んっと子供のように外で泣いてる自分。


そんな私と目をあわさないように通りすぎる子供。




『俺?友達の家で別れの挨拶を……』

「私にもしてよ〜!!!ばかぁ!!」

『お前は昨日しただろーが』


「全然足りないよ。足りなさ過ぎるよ!!」


『お前は……泣くのか怒るのかはっきりしろって』


「だってぇ〜!!」

『ッチ。はいはい。じゃあ今までありがとう。帰ってきたらまたよろしくね』



「なんで電話で済ませんの?なんでそんなに雑なのよ〜!!」



『だー!新幹線くるから、電話、切るぞ?』


「待って!!孝ちゃん、もう会う時間ないの?」


『うん。このまま空港行くから』



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