あなたのペット的生活
「おぉ!乃亜じゃん」
振り向かなくても声で分かる。
「何してんの、佐助」
レンタルショップ前で息を切らしてる私の背後に佐助は声をかけた。
「レンタルショップの前だぞ?何してるってわかるだろ?」
佐助は白い歯を豪快に出して笑い出した。
孝ちゃんとは違う。
素直な笑い方というか、裏がない笑顔。
意地悪でもなく、悪意があるわけでもない屈託のない笑顔。
太陽みたいに輝く笑顔。
「それもそうだね。何か借りるの?」
「そのつもりなんだけど、乃亜、何借りんの?」
レンタルショップの名前の入った袋を取り上げ、佐助はマンガのタイトルを確認した。