あなたのペット的生活
ゴロンとそのまま横に倒れる。
枕元にずっと前、孝ちゃんにもらったぬいぐみが置いてある。
そのうちの1つを手元に引き寄せてぎゅ〜っと抱きしめた。
「孝ちゃん、だぁ〜いすき」
ぬいぐるみを頬にすり寄せていると、中途半端に開かれたままの参考書が目に入った。
「あ〜……明日学校で先生に聞かないとなぁ」
正直、今まで孝ちゃんが勉強を教えてくれたことなんかない。
いつも部屋でマンガ読むかケータイいじるかどっちかだ。
でも、孝ちゃんと一緒にいれるから、それでもいいんだ。
孝ちゃんと一緒にいられたらそれでいいの。
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────────……
「乃亜〜?熱あるの〜?……あら、寝てるの」
遠くでお母さんの声が聞こえたような気がした。
けど眠たくて返事ができなかった。
パチンと電気を消した音がしてお母さんは部屋から出て行った。
孝ちゃん。
大好き……。