執事とお嬢様、それから私
その人の名前は
東條 雅人
なんとふさわしい名前だと感心しつつ、名刺に刻まれた彼の役職に目をむいた。
西園寺グループ 代表取締役社長 秘書
私はとんでもない人に助けられたのだと思うと同時に彼…東條さんのあのスマートな動きにも納得がいった。
どうしたもんかと思ったがあんな我が儘をいって名刺をもらった手前、連絡しないのは失礼だ。
そっと裏返すと走り書きにも関わらず美しくかかれた11文字の数字がそこにあった。
ソッとなぞるとトクンと心臓も音を立てる。
私は意を決してその番号を携帯へと打ち込んだ。