執事とお嬢様、それから私
「さぁ雅人。なぜ今まで黙ってらしたの?」
「使用人のプライベートなどお嬢様のお耳に入れることではございません」
「雅人は使用人なんかじゃないわ!!」
「私はお嬢様の執事です」
冷静な声にイライラする。
「じゃ、じゃぁ命令よ雅人!!!!別れなさい!!!!」
そうよ、最初からこうすれば良かったのよ。これまで雅人が私の言いつけに背いたことなどなかった!!
「お嬢様…それは業務外の命令につき、従うことはできません」
「なっ!?」
まさかの雅人からの拒絶の言葉に一気に奈落の底に落とされた気がした。
雅人は、私より別の女をとるつもり!?
「申し訳ありません」
深々と頭を垂れる雅人をみて、なにかが切れたきがした。
「わかりましたわ…雅人。素直にわかれなかったことを後悔なさい」
そのまま雅人をみることなく部屋を後にした。