執事とお嬢様、それから私
「あはは、そだね」
かのこさんに笑顔が戻った事にホッとした。私でも誰かに笑顔があげられるんだと思って…ホッとした。
「憎むのは簡単でも、疲れますわね。なにもいいことないですわ…。誰かの笑顔を願う方が…ずっと素敵ですわね…」
「綾那ちゃんは、かっこいいね。」
「まぁ、ladyにむかってかっこいいはないですわ!!」
「「ププッ」」
「「あはははははは」」
大口開けて笑うなんて、初めてですわ。
「ねぇ綾那ちゃん、私もう綾那ちゃんのこと友達だと思ってるんだけど、どう?」
「しかたないですわね、特別、許して差し上げてよ?私の友達になってくれるなら!!」
ねぇ雅人…初めて、友達ができましたわ。早く、雅人にも会わせたいですわ。