執事とお嬢様、それから私



「あはは、そだね」

かのこさんに笑顔が戻った事にホッとした。私でも誰かに笑顔があげられるんだと思って…ホッとした。


「憎むのは簡単でも、疲れますわね。なにもいいことないですわ…。誰かの笑顔を願う方が…ずっと素敵ですわね…」


「綾那ちゃんは、かっこいいね。」

「まぁ、ladyにむかってかっこいいはないですわ!!」






「「ププッ」」


「「あはははははは」」


大口開けて笑うなんて、初めてですわ。


「ねぇ綾那ちゃん、私もう綾那ちゃんのこと友達だと思ってるんだけど、どう?」


「しかたないですわね、特別、許して差し上げてよ?私の友達になってくれるなら!!」





ねぇ雅人…初めて、友達ができましたわ。早く、雅人にも会わせたいですわ。


< 34 / 81 >

この作品をシェア

pagetop